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信用状による取引へ

輸入者へ見積書(Proforma Invoice)を送り、同意をした上で契約書が取り交わされますと、契約書に基づいて「信用状 L/C」が銀行経由で送られてきます。

信用状の条件に従って商品を出荷すれば必ず輸出代金が回収可能ですから安心して出荷の準備に取り掛かれます。


しかし、受け取った信用状 L/Cの内容が事前に取り交わされた契約書や見積書の条件と一致しているかどうかを確認しなくてはなりません。

取引において代金決済方法を確認するでもお伝えいたしましが、輸出者は輸出地にある銀行に輸出者に対し信用状の開設を依頼します。

輸出者は商品を通関・船積みして船会社から船荷証券の発行を受けます。

輸出者は信用状と共に船荷証券やその他の書類を買取銀行に提示しますと商品代金を回収できるシステムです。 この段階では通貨がドル建ての場合が多いので、買取銀行へ依頼をしてドルから円に手数料を支払って換金してもらいます。

信用状の開設については輸入者側になりますので今回は省きます。

受け取った信用状の中身について用語の解説をいたします。

信用状の確認

輸出者にとりましては信用状の点検は大変重要になりますので信用状を受け取ったらすぐに次の点を確認しましょう。

1.取消不能信用状(Irrevocable Credit)であるかどうか

つまり信用状に「Irrevocable」の文字があるかどうかを確認

2.信用のある一流の銀行が発行したものかどうか

信用状は発行銀行による支払いの確約ですから、発行銀行の信用に不安があり支払い不能になったりすれば代金の回収ができなくなってしまいます。

3.発行銀行の所在国、仕向国に不安はないか

いわゆるカントリーリスクはないか、厳しい為替管理などにより支払の制限がなされていないかどうかなども重要なポイントになります。輸入業者が代金を支払ってもその国が対外支払を制限している場合などは銀行も輸出者も代金の回収が困難になる場合があります。

4.信用状統一規則採択文言があるか

ICC(国際商業会議所)による信用状統一規則採択文言が明記されているかどうかも重要なチェックポイントです。
※信用状統一規則とは

本文あるいは欄外に下記の文章が明記してある必要があります。

Subject to Uniform customs and Practice for Documentary Credit 1983 Revision, International Chamber of Commerce, Publication No. 400

5.信用状が原本(Original)であるかどうか

信用状原本が郵送されてきても、通知銀行でサイン照合をしたものであれば信用状の原本であるかの確認ができます。しかし電信による信用状についてはそれが原本であるかどうかの確認に注意を要します。

ひとつは信用状発行の予告(Preliminary Advice)を信用状原本と間違えないことです。信用状発行の予告だけでは信用状n役割は果たさず後日送付されるMail Confirmationが信用状原本となります。

信用状に通知銀行によるスタンプが押されているかどうか確認をします。このスタンプがあれば通知銀行が介在しサイン照合済みであると考えられます。
スタンプがなければ輸出者に直接送られてきたものと考えられ、真偽の確認ができないので輸入者に確認をすべきです。

信用状の条件が一定の条件が満たされた場合にのみ有効とか、通知銀行が発行銀行に照合中であるとの保留付きの場合には、それが解消されている事を確認する必要があります。

信用状の有効期限(Expiry Date)に余裕があるかどうか確認します。
有効期限を過ぎてしまうと銀行は買取に応じませんので注意が必要です。

6.商品や船積みに関する内容が契約書や取引条件と合致しているかどうか

商品の品名や価格、船積条件や積載期限などが契約の内容と一致しているかどうかを確認します。

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